2024/06/17 京北について
賀茂神社(京北)は、右京区京北にある神社です。
京都の市街から大きく外れた北側にあるため、穴場ともいうべきスポットですが、YouTubeで紹介された際には、再生回数90万回を超え、多くの人に注目されることとなりました。
京都には北区に上賀茂神社、左京区に下鴨神社があります。
いずれも京都を代表する由緒正しい神社です。
京北の賀茂神社では、上賀茂神社と同じ「賀茂別雷(かもわけいかづち)」という御祭神を祀っていることから、何らかの関係性があるのではという説もありますが、未だ関係性は不明です。
今回は、この謎多き京北の賀茂神社の魅力に迫ってみたいと思います。
賀茂神社の創建等の由緒は不明ですが、山国郷五社明神の三の宮で、一の宮である山国神社の由緒には「三条天皇の長和五年(1016)正一位を贈られ御祈祷所(五社明神建立)となる」とあります。
このことから、おそらく1000年以上の歴史があると思われます。
賀茂神社の参道は、突然現れます。
上桂川の東岸から山道に入り、林道を登って行くと、杉木立のなかに突然、山道があらわれます。
鳥居へと一直線に伸びる苔むした石段の参道の両脇には、杉木立が並んでいます。
杉の木がうっそうと茂っている静けさのなか、杉の木の間から差す光が神々しく、辺り一面に凛とした空気が漂っています。
参道の先は薄暗く、石段を進む度に、気持ちが引き締まるようです。
参道を少し行くと、鳥居が立っています。
杉林の中央にそびえたつ鳥居は、威厳さえ感じます。
参道の下から鳥居を見ると、薄暗い先に鳥居があるのが見えるため、異空間に迷い込んだような気にもなります。
この鳥居をくぐると、より一層心が洗われるような気がする一方で、その先に見える社殿を目にすると、なお一層気持ちが引き締まる思いがします。
社殿の前には、狛犬が2体、社殿を守っています。
狛犬は、獅子に似た想像上の生物だとされています。
一般に神社や寺院の入り口の両脇、または本殿や本堂の正面左右などに一対で向き合う形で置かれています。
寺社に背を向けることで、寺社を守っているとされています。
一般的に、向かって右側の狛犬は、「「阿形(あぎょう)」で口を開いており、左側の狛犬は「吽形(うんぎょう)」で口を閉じています。
賀茂神社の狛犬も同じく、向かって右側が「「阿形(あぎょう)」、左側が吽形(うんぎょう)」になっています。
狛犬の息づかいが聞こえてきそうなほどの静けさのなか、その先にあるのが、賀茂神社の社殿です。
参道に入る前と後では、明らかに空気が違うような気がします。
これが、まさに賀茂神社がパワースポットと言われる所以でしょう。
この辺りは、冬になると雪が積もるからでしょうか・・・賀茂神社の社殿は、覆屋のなかにあります。
覆屋のなかには、小さな3つの社があります。
左右は、同じ大きさの一間社です。
向かって左が賀茂神社、右には貴船神社と熊野神社が合祀されています。
中央の小さな社は稲荷神社です。
「戻りの参道」とは、神社から振り返り、帰り道となる参道のことです。
賀茂神社においては、この帰り道も魅力のひとつです。
社殿に参拝したあと、参道を振り返ると、狛犬が両脇に2体。
そのすぐ向こうには、灯篭が2体。
行きと同様、両脇には鬱蒼とした杉木立が並んでいます。
参道に届く光は、杉の木々の隙間からほんの少し。
薄暗い参道が続いています。
その先に存在感のある鳥居が立っています。
「行きの参道」もなかなかの雰囲気でしたが、「戻りの参道」のスピリチュアルさはまた格別です。
神社の雰囲気をよく「冷厳あらたか」と表現しますが、まさに賀茂神社はその表現がぴったり合う場所です。
賀茂神社は、京都の中心地から大きく離れた山のなかにあります。
電車やバスは近くを通っていないため、車で行くことをおすすめします。
賀茂神社がある京北は、公共交通機関でのアクセスが難しいので、レンタカーを利用するのもおすすめです。
車で訪れる場合は、カーナビやGoogleマップを利用されると思いますが、賀茂神社は、道の途中までしか表示されませんのでご注意ください。
車で訪れる場合は、京都の中心地から市街から延びる国道162号線を経由し、国道477号線を通って賀茂神社へアクセスしてください。
国道162号線、国道477号線が目印です。
京都駅からの所要時間は約1時間前後です。
賀茂神社 | |
---|---|
住所 | 京都市右京区京北中江町傳土16−2 |
参拝自由 |
京都の中心部からかなり離れたところにある賀茂神社。
YouTubeで注目されてからは、パワースポットとして多くの人が訪れるようになりました。
しかしながら、アクセスがあまり良くないため、訪れる場合は、車やレンタカーなどがおすすめです。
サイクリストの方が、自転車で訪れることもあります。
賀茂神社は、山に入っていく道を進んで行った先にあるのですが、途中、獣害防止柵があります。
柵には、「賀茂神社 この扉の先約100m先」と書かれています。
この柵は、獣害防止のための柵であるため、参拝に訪れた際には、自分で開け閉めする必要があります。
決して開けっ放しにせずに都度閉めるようにしましょう。
神の領域に踏み込んだかのような霊験あらたかな場所、賀茂神社。
あなたもぜひ一度訪れてみてください。