2025/06/12 ジビエ
「犬に鹿肉をあげるといい」と聞いたことはありませんか?
実際に愛犬に鹿肉をあげている飼い主さんもいらっしゃるでしょう。
「でも犬に鹿肉をあげても本当に大丈夫?」
こんなふうに、愛犬に鹿肉をあげることに抵抗がある飼い主さんのために、
ここでは、犬に鹿肉をあげるメリットと注意点についてご紹介いたします。
初めて犬にあげるフードについては、飼い主さんはかなり慎重になりますよね。
ましてや鹿肉となれば、自らでさえ口にしたことがない飼い主さんならなおさらでしょう。
「犬に鹿肉をあげても本当に大丈夫?」
答えは・・・「大丈夫です!!」
鹿肉は、牛肉や豚肉、鶏肉などと同じように犬に与えても安全なお肉です。
鹿肉には、栄養素が多く含まれているため、最近ではドッグフードやおやつに取り入れている飼い主さんも増えてきています。
それでは、鹿肉はどれぐらい栄養価が高いのかみていきましょう。
おもに4つの栄養素についてみていきます。
鹿肉は高タンパク質でありながら、低脂質かつ低カロリーな赤身のお肉です。
タンパク質は、丈夫な体と筋肉をつくります。
犬の健康のためには欠かせない栄養素だと言えます。
豚肉や牛肉と比べてみると、タンパク質はおよそ2倍であるのに対し、脂肪分が少ないため肥満を気にしている犬にも安心して与えることができます。
また鹿肉は消化吸収に優れているため、消化機能が低下しがちなシニア犬にも安心です。
鹿肉には、ビタミンB2、鉄分、リンが豊富に含まれています。
ビタミンB2は、皮膚の健康を保ち、フケを予防する役割があります。
皮膚が弱い子や皮膚病にかかりやすい子におすすめです。
また赤身肉に多く含まれている鉄分は、鹿肉には豊富に含まれています。
血管のなかで酸素を運ぶ役割を担っています。
鉄分不足になると、体が疲れやすい、貧血や息切れなどの症状を引き起こしやすくなります。
リンは、骨や歯を丈夫にする役割があります。
不飽和脂肪酸とは、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸など、血液をサラサラにし、犬の皮膚を健康に保つ働きをする栄養素です。
体内で生成することができないため、努めて摂取する必要があります。
カルニチンは、脂肪を燃焼してくれる栄養素です。
肥満気味でダイエットが必要な犬に最適です。
このほか、心臓病や疲れやすいシニア犬のエネルギー源として補うと良いでしょう。
カルニチンは水に溶けやすい性質があります。
水と一緒に摂取すると体内に吸収されやすくなります。
また生の鹿肉を茹でた茹で汁も一緒に与えることによって、効率的にカルニチンを摂取でsきます。
鹿肉が栄養価が高いということがお分かりいただけたところで、鹿肉を犬にあげると良い5つの理由についてご紹介いたします。
牛や豚を口にしてアレルギーを起こす理由に、牛や豚は家畜であるため、添加物を含むエサを摂取しているという点が挙げられます。
それに比べて、鹿は野生であるため、草木の皮や木の実など自然食を口にし、添加物を口にすることがありません。
肥満が気になる犬にダイエットをしようとした場合、エサの量を減らしたり、ヘルシーな食材を選んだりしますよね。
その結果、ダイエットに成功したものの疲れやすくなることもあります。
ダイエットの際には、体力が落ちない食事を心がけることが大切です。
鹿肉であれば高タンパクで低脂質・低カロリーであるため、体力を維持しつつ、体重管理ができるというメリットがあります。
皮膚が弱い犬に鹿肉を与えると、毛並みがよくなり皮膚が健康になるという実験結果があります。
これは、毛並みや皮膚の健康には、「不飽和脂肪酸」「ビタミンB群」が大きく関係しているためです。
前述のように、鹿肉には、この2つの栄養素が多く含まれているため、犬の毛並みがよくなり皮膚も健康に保たれるのです。
貧血を防止するためには、鉄分が良いというのはあまりにも有名な話です。
鉄分を多く含んでいるのが、この鹿肉なのです。
前述のように鉄分は、骨や歯を丈夫にする効果もあります。
丈夫な歯があれば、食材をしっかりと噛むことができます。
しっかりと噛むことができれば、虫歯予防にもつながります。
また鉄分が豊富な鹿肉には、骨を丈夫にするカルシウムやリンといった栄養素も豊富に含まれています。
これまでご紹介してきたように、鹿肉は犬にとってメリットの多い食材です。
しかしながら、鹿肉を与えない方が良い犬もいます。
肝臓や腎臓の病気がある犬は、鹿肉NGです。
肝臓病や腎臓病の犬には、食事制限があります。
リンやタンパク質を多く含む鹿肉は、病気の犬の体に負担がかかってしまいます。
また、運動量が多く痩せている犬にとって、鹿肉はヘルシー過ぎます。
痩せていることを気にしている犬に鹿肉は逆効果です。
鹿肉を犬にあげる際に注意すべきことは3つあります。
犬にとって鹿肉はご馳走です。
美味しすぎて、他のペットフードを食べなくなることがあります。
またいくらヘルシーであるからだといって、食べすぎると肥満の原因になります。
与える際には、適量を心がけましょう。
生の鹿肉をあげる際は、寄生虫がいることもあるため、注意が必要です。
鹿肉は、マイナス20℃以下で48時間冷凍処理することで寄生虫を死滅させます。
鹿肉を購入する際には、きちんと処理されているか、信頼できる仕入れ先かどうかをかくにんして購入するようにしましょう。
鹿肉はアレルギーを起こしにくいとはいえ、元々鹿肉アレルギーのある子もいます。
最初にあげる際には、少しずつ様子を見ながら与えるようにしましょう。
もし、皮膚の痒みや目の充血、下痢、嘔吐、元気がないなどの症状が見られたら、鹿肉アレルギーの可能性がありますので、早めに動物病院を受診しましょう。
鹿肉は、犬にとって必要な栄養素がたくさん入った優秀な食材です。
サステナブルな社会を目指すため、近年では「害獣」として駆除される鹿を食肉に加工して食品に加工する動きが広まっています。
これからどんどん需要が高まると見られている鹿肉。
愛犬の健康のためにも、ぜひチャレンジしてみてください。